天台宗総合研究センター主催の「比叡のこころ」講座が、開催されました。
本年度は比叡山に昔から伝わる厳しい修行について3回シリーズで講座を開催しています。
シリーズ最終回の第3回目は、伝教大師の菩薩僧養成の理念のもと、慈覚大師の直弟子、相応和尚により確立された千日回峯行について、北嶺大行満大阿闍梨の上原行照師をお招きしました。
会場は、阿闍梨様を待ち受ける方で定員の200席は満席となり、当センターの吉澤健吉研究員の司会で始まりました。対談では、聞き手役の当センター吉田実盛研究員より、先ず僧侶を志した経緯についての質問が投げかけられ対談がはじまりました。質問に対して上原師からは、僧侶となるまでを振り返り、師僧との関係など小僧生活について語られました。回峯行については、12年籠山を含む回峯行や無動寺の輪番など23年以上に亘る比叡山内での生活や、回峯七百日満行後の断食断水不眠不臥での「堂入り」体験談を交えて語られました。
またスライドや動画で無動寺谷周辺の解説、回峯行の行程、「京都大廻り」などについて述べられ、回峯行の雰囲気を感じてもらえ、上原阿闍梨様の人柄にも触れることができた講演となりました。