美しい対馬の海を取り戻そう
=対馬漂流物被害清掃作業に取り組む=
一隅を照らす運動の地球救援活動の一環として、去る六月十五日に長崎県対馬市の海岸において漂流物の清掃作業が行われた。一隅を照らす運動総本部(福惠善高総本部長)では、地球環境を悪化させるゴミの増加傾向を踏まえ、ゴミの削減を目ざす取り組みとして今回の清掃作業に取り組んだ。尚、同清掃作業は、九州西教区本部の一隅を照らす運動対馬大会とともに実施された。
清掃作業は十五日午後、厳原町阿連の海岸で行われ、約百五十名が参加した。一時間半かけて大量の漂流物を撤去、半ば砂に埋もれている漁具などは取り去るのに一苦労。参加者はゴミの多さを目の当たりにして、その深刻さを実感した様子であった。
漂流ゴミは、太平洋海域でも多く、日本発のゴミも大量に見られる。また、近年は医療廃棄物など、永年残存する危険物も増え、ゴミ問題は地球環境規模で取り組まなくてならない問題になっている。
同運動総本部では、地球救援活動において、ラオスでの学校建設など海外での実績を積んでいるが、今後は環境問題への取り組みとしてこうした清掃活動の国内での実施を考えている。もはや一国段階での取り組みでは成し得なくなっている環境保全運動を、足下から展開することが重要だからだ。
今回の清掃作業を踏まえて同運動総本部では「伝教大師入唐求法帰還の地である対馬において、九州西教区本部と連携して実施できた。今後も各教区本部のバックアップを受けながら、他地域での清掃活動も考えていきたい」と、地球環境保全に取り組んでいく決意を示している。
なお、十六日には、九州西教区の檀信徒会総会、山下亮孝祗園寺(佐世保市)住職の講演、伝教大師報恩法要などが行われた。
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戸津説法 =清原惠光師を説法師に指名=
去る六月四日に執り行われた長講会において、今年の「戸津説法」の説法師に清原惠光師(延暦寺一山弘法寺住職)が指名された。
戸津説法は、比叡山麓東南寺で毎年、行われている法華経の説法で、東南寺説法とも呼ばれている。宗祖伝教大師がご両親への追善供養と村民の幸せを願って、この地で説法したのが始まりとされる。
天台宗の経歴法階の一つで、この説法師を務めると、将来の天台座主への道が開かれることから、「天台座主への登竜門」とも称される。
師は、昭和八年大津市生まれ。大正大学大学院文学研究科修士課程修了。延暦寺副執行、叡山学院院長、比叡山行院院長、延暦寺執行などの要職を歴任。現在、延暦寺学問所所長、天台宗勧学、叡山学院名誉教授。