国清講寺で開宗1200年慶讃大法会円成を奉告
-半田座主猊下を名誉団長に天台宗訪中団-
天台宗では昨年「天台宗開宗千二百年慶讃大法会」が円成したことをうけて、報恩奉告のため半田孝淳天台座主猊下を名誉団長とする六十五名の訪中団を派遣した。訪中団一行は、高祖天台大師・宗祖伝教大師ゆかりの天台山国清講寺等を参拝、中国側僧侶と共に報恩の法要を厳修した。訪中は当初、昨年五月に予定されていたが、四川大地震のため延期されていたものである。
故趙会長は戦後途絶えていた日本天台宗と中国仏教協会の関係回復と交流再開に尽力した功労者である。中国仏教協会では、一誠会長と会談。半田座主猊下は「趙会長は、一九九三年に中国仏教協会成立四十周年を記念して訪日され、中韓日三国仏教を『黄金の絆』とする構想を発表されたが、それは一九九六年の祖師讃仰大法会・天台大師一千四百年大遠忌のおり、明暘中国仏教協会副会長、大韓佛教天台宗金道勇宗正大禅師が出席されて、比叡山での三国合同法要を行えたことで結実した」と挨拶した。
また翌十八日には、中国国家宗教局並びに中日友好協会を表敬訪問。
国家宗教局では、葉小文国家宗教局長(中華宗教文化交流協会会長)が半田座主猊下を出迎え、同局長主催の晩餐会が催された。葉局長は「半田座主猊下の心のこもったスピーチに大変感激した。訪中団をお迎えすることを誇りに思う」と述べた。更に、半田座主猊下は、二十日には高祖天台大師の御廟である真覚寺を参拝され、即身成仏されて埋葬された智者大師肉身塔の前に額づかれた。
このあと黄継満天台県人民政府県長と共に天台山で会見式に臨み、続いて可明天台山国清講寺住持と再会を果たした。
二十一日には、天台山国清講寺で、開宗千二百年慶讃大法会の円成奉告にあわせ世界平和・日中友好を祈念する日本と中国の僧侶による法要が厳修された。導師は中国側が可明住持、日本側が半田座主猊下であった。
続いて行われた記念碑の除幕式では、「天台宗永永流傳」と碑文を揮毫した半田座主猊下が「仏教は滅びることはない。永久不滅であるという意味を込め、また中日両国の天台宗、仏教の友好交流も永久不滅であるという祈りを込めて揮毫した」と述べられた。寧波の天童寺では釈誠信方丈の、また上海では玉佛寺で覚醒住職の出迎えを受けられたばかりではなく、それぞれの寺院では数十人の僧侶が参道に整列して半田座主猊下を出迎えた。期間中訪中団は中国側の熱烈歓迎を受け、二十三日に帰国した。