内モンゴルの砂漠化を防ぎ緑を取り戻そう
一隅を照らす運動総本部(秋吉文隆総本部長)では、今日に至るまで「地球救援活動」の一環として、自然環境の保全活動を持続的に展開してきた。特に近年、地球温暖化問題に見られるように、一国の枠を越えての環境保護対策の必要性が求められており、同本部でも、中国内モンゴル地区での砂漠緑化活動に平成十九年より参加し、環境保全への取り組みを深めている。本年も現地活動を行うが、今回はその実情をつぶさに見て、環境保全の重要性を肌で知ってもらおうと、支部、会員、一般の方々などを対象に「植林ツアー」(五月五日~十一日)への参加を募っている。
隣国、中国では、国土の三十パーセント近くが既に砂漠化しており、毎年、神奈川県に匹敵する面積が砂漠化していると言われている。内モンゴル地区も一九六〇年頃から急速に砂漠化現象が見られるようになり、使用可能な草原は今では半分以下になっている。
その背景には、新中国成立後の定着型農耕・牧畜の推進や人口増加に伴う草原の過開墾・過放牧がある。そこに気候変動が追い打ちをかけ、さらに疲弊した土地は砂漠となり、家や畑を呑み込み住民生活を圧迫し、人々は移住を余儀なくさせられるという事態を招いたわけである。
現在様々な砂漠化阻止の取り組みがなされているが、一隅を照らす運動総本部では平成十六年より現地で植林活動を続けているNPO法人「草原の風」(長野県飯田市)の協力を得、十九年より植林ツアーに参加し、今後の活動に向け実情調査を行ってきた。
順調に根付く木々
かつてこの土地は海や湖であったため、草原の地下には砂が堆積している。植生が破壊され、表土が剥がれるとその砂の層が表出するのだ。ただ、元々豊かな草原であった地域で、地下水もあり草木を育てる力を持った土地である。そのため、参加した二年間を含め、植林してきた木々は順調に根付いており、今回のツアーに参加する一行にも、その成果を実感してもらえることになる。
秋吉総本部長は「当初より、体験学習的なツアーを考えていました。今回、実現する運びとなり嬉しく感じております。この地域の砂漠化は、日本を毎年襲う黄砂の原因でもあります。年々酷くなる実情を目の当たりにされて、砂漠化阻止の切実性を実感して頂ければ幸いです」と植林ツアーへの参加を呼びかけている。