聖地天台山に結願を奉告へ
五カ年にわたった天台宗開宗千二百年慶讃大法会が、三月末をもって無事円成し、総結願法要が営まれたことを受け、半田孝淳天台座主猊下を名誉団長とする「結願奉告訪中団」が組織された。訪中団は、二十二日に半田座主猊下を大導師として、天台山国清寺において日中合同法要を営み、天台宗開宗千二百年慶讃大法会の結願を奉告する。
半田座主猊下と両内局代表団は一般団に先がけて、五月十九日に北京入りし、趙樸初前中国仏教会会長の墓参を行う予定である。
また翌二十日には、中国国家宗教局、中国仏教協会、日中友好協会をそれぞれ表敬訪問する予定となっている。
そして、二十一日には、関西空港、成田空港から出発する訪中団と天台山で合流し、結団式が行われる。
座主猊下を名誉団長とする訪中団は、平成十六年「伝教大師入唐千二百年記念」訪中団以来。
中国天台山は、天台大師が修行された山である。その最高峰である華頂峰で一人瞑想修行され、襲い来る様々な魔(煩悩)を下し、悟りに至った地でもある(華頂降魔)。
その後、遣唐使と共に中国に渡った伝教大師が八〇四年に天台山に入り、道邃、行満和尚より天台学を学び、菩薩戒を受けた地である。
中国より帰国した伝教大師は桓武天皇に帰朝報告を行い、延暦二十五(八〇六)年には天台宗が公認されたのである。いわば、中国天台山は日本天台宗の聖地であり、ルーツであるといえる。
今回の訪中団は、天台山の真覚寺にも参拝する。真覚寺は天台大師の御廟である。大師は生前の御遺言により、ここで即身仏となり葬祀されている。現在も、二重の大白石塔が本殿内にあり、塔下に大師は眠られている。
また、今回参拝予定の臨海の龍興寺は、伝教大師が五カ月に亘って滞在され、勉学に励まれた所である。これまで、荒廃していたが、中国臨海市民の手によって平成十一年に見事に復興された。同年の訪中団によって、当時の渡邊座主猊下揮毫による「傳教大師最澄受戒霊跡」の石碑が建立されている。
更に、慈覚大師受法の地である西安では、青龍寺、また大興善寺にも参拝の予定である。
なお、今回の訪中では、半田座主猊下揮毫による記念碑が天台山に建立される。