比叡山宗教サミット20周年記念
「世界宗教者平和の祈りの集い」を開催
比叡山宗教ミット二十周年記念「世界宗教者平和の祈りの集い」(主催・日本宗教代表者会議)が、八月三日、四日の両日、国立京都国際会館並びに比叡山延暦寺を会場に開催された。テーマは「和解と協力」で、世界各国十九カ国からの宗教指導者を含め、国内外から約二千名が参加、未だ収まらない紛争状況や地球の環境問題について論議を交わした。二日間に亘る集いの集約として、「『和解と許し』によってこそ、平和がもたらされる」との比叡山メッセージを比叡山上から世界に向け発信した。
三日のオープニングでは、その「和解と許し」を実践しているボスニアのコミュニティー・ガーデンの少女四人が登場。彼女らは、互いに争った民族と宗教の違う人たちが、憎しみを乗り越えて暮らす共同農園で生活しており、被爆地広島の子どもたちと共に、紛争や対立もなく互いを隔てる境界のない、平和な世界の実現を訴える絵とメッセージを発表し、会場から大きな共感を得ていた。
この後、主催者を代表して濱中光礼事務総長が開会の挨拶を行い、続いて国連事務総長、ローマ教皇、世界仏教徒連盟会長らのメッセージの披露、バチカンのフェリックス・マチャド師(教皇庁諸宗教対話評議会次長)、サウディアラビアのアアブドゥラー・アルレヘダン氏(イスラム問題・寄進・宣教・善導省イスラム問題審議官)の記念講演があり、最後に杉谷義純事務局顧問をコーディネイターとし、「和解と協力ー宗教・民族・国境を越えて」をテーマにシンポジウムが行われた。パネリストにはキリスト教、仏教、イスラーム、ユダヤ教、諸宗教などから七名が出席した。
四日は午前中、二つのフォーラムが開催され、「諸宗教間の対話と協力ー紛争和解から平和構築のためにー」、「自然との和解と共生ー宗教者は地球環境保全のために何ができるかー」をテーマに意見を交換した。
午後からは会場を比叡山延暦寺根本中堂前広場に移し、「世界平和祈り式典」を開催。ボスニアと広島の子ども達により「世界平和の鐘」が打ち鳴らされたのを合図に、参加者全員が平和への黙祷、続いて半田孝淳名誉議長の挨拶の後、内外の諸宗教代表がそれぞれの宗教儀式に則り、祈りを捧げた。
また、参加者や天台青少年が折った千羽鶴でボスニア、広島、天台青少年たちが地球型オブジェを作成し、一日も早い世界平和を祈った。
最後に「『対立と憎悪』からは解決の道は決して生まれず、愛と慈悲に基づく『和解と許し』によってこそ初めて平和がもたらされることを強く確信する」との比叡山メッセージが発表された。