東日本大震災被災者こころを忘れずに
一隅を照らす運動推進大会 5月31日・神奈川大会/6月9日・東京大会
五月三十一日に川崎市において「一隅を照らす運動神奈川大会」、六月九日には浅草で「第四十二回一隅を照らす運動東京大会」がそれぞれ開催された。神奈川大会は、東日本大震災物故者追善と共に復興祈願法要を営み、震災により昨年は中止していた東京大会は、二年振りの開催となった。両大会とも被災地の一日も早い復興を願い、継続的な支援を誓う大会となった。
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同運動神奈川教区本部(溝江光運本部長)では、神奈川大会を川崎エポックなかはらを会場に開催、教区僧侶、檀信徒ら五百十余名が参加した。
今回は特に東日本大震災から一年ということもあり、被災地である陸奥教区の千葉亮賢所長、福島教区の矢島義謙所長、茨城教区の酒井貫全所長の出席のもと「東日本大震災物故者追善並びに復興祈願法要」を溝江教区本部長を大導師として厳修した。
さらに一隅法話として、被災地の陸奥教区觀音寺の鮎貝宗城住職が、震災当時の状況について詳しく語った。多くの檀信徒が被災した寺の住職から見た、当時の悲惨な状況と復興への取り組みを詳細に説明。参加者は当事者ならではの内容に、一層、復興支援の必要を感じ取っていた様子であった。
第二部は、被災教区の中尊寺圓乗院住職、佐々木邦世師の『仏国土(浄土)の土を語る』と題する講演。参加者は、みちのくの仏国土といわれる平泉にまつわる浄土思想とその体現とも称される平泉文化の歴史的意義などについて熱心に耳を傾けていた。
震災被災地支援の浄財も多く寄せられる 四十二回を数えた東京大会
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同運動東京教区本部(杜多徳雄本部長)の「第四十二回一隅を照らす運動東京大会」は、台東区・浅草公会堂において開催、約千名の参加者を数えた。同大会には、阿純孝宗務総長、武覚超延暦寺執行福惠善高同運動総本部長らが来賓として出席。開会にあたり第一部として、神田秀順輪王寺門跡・寛永寺住職を大導師として法要が営まれた後、杜多同運動東京本部長(東京教区宗務所長)が「東日本大震災の復興も遅々として進まず、福島の原発事故の収束もまだまだの状況。これからも息の長い物心両面の支援が必要となる。この運動を推進する我々も尽力していきたい」と主催者を代表して挨拶。また、長年に亘り同運動に携わってきた会員の表彰もなされた。
第二部では、佐々木閑花園大学文学部国際禅学科教授が「日々是修行現代人のための仏教」と題して講演。佐々木氏は、釈迦の出家から悟りに至る過程について説明。「自我」ということ、「諸行無常」、「諸法無我」について分かりやすく語り、大震災を経た現代日本に生きる人間としてどのような価値観、人生観をもって生きたらよいのかを聴講者に説いた。未曽有の大震災後に生きる日本人の心の持ち方を提言する講話にたいし、参加者から共鳴の大きな拍手が起こっていた。