祖師先徳鑽仰大法会総開闢法要奉修
10年に亘る大法会がスタート 4月1日・延暦寺根本中堂
宗祖伝教大師、慈覚大師、恵心僧都、相応和尚(かしょう)の四祖師の遺徳を讃える「祖師先徳鑽仰大法会」が去る四月一日、開闢となった。同日午前八時四十五分、延暦寺根本中堂において、半田孝淳天台座主猊下を大導師に、天台宗・延暦寺の役職者からなる同大法会事務局員の出仕で「祖師先徳鑽仰大法会総開闢法要」が厳かに営まれた。
同日は、総開闢法要厳修の後、大講堂前において、慈覚大師一千百五十年御遠忌法要の角塔婆開眼法要も営まれた。
同大法会は、平成二十四年四月から同三十四年三月までの十年間を二期に分け、第一期は慈覚大師一千百五十年御遠忌、第二期は伝教大師御生誕一千二百五十年、伝教大師一千二百年大遠忌、恵心僧都一千年御遠忌、相応和尚一千百年御遠忌で、それぞれに大法要、記念事業が営まれる。
同日の法要終了後、延暦寺会館において記者会見が行われ、阿大法会局長が「我々人間は高度に科学技術を発展させ豊かな生活を享受してきた。しかし、東日本大震災による原発事故などで見られる如く、自然に対する畏敬の念を忘れつつある。今一度、人間を含めた全ての存在が仏性を持つことを再確認するため、宗祖の言葉から『道心』を統一標語として掲げた。そして、副標語は、天台の教えをもとに『山川草木みなほとけ』とした」と、今回の大法会のテーマについて説明。
また、記念事業として、昭和三十年に行われた修理以来、諸処に不具合が生じてきていることや、耐震対策のため、約六十年振りに根本中堂を大修理することを明らかにした。
更に、長年の懸案であり、宗教面はもちろん、日本文化のあらゆる面で影響を与えてきた天台教学とその関連項目を体系的にまとめた『天台学大辞典』(仮称)の出版、そして結縁潅頂のすすめ、写経の推進なども発表された。