人材育成、生命の尊さを重要課題に
―将来に備え刊行物のアーカイブ化も―第121回通常宗議会
二月二十二から二十四日まで第百二十一回通常宗議会が開催され、平成二十三年度通常会計歳入歳出予算など予算関係議案と宗規関係議案などが可決承認された。「人材の育成」、「教えの普及」「寺院の存続」を執務の軸として宗務行政に取り組んでいる阿内局は二年目を迎え、その具体的な実践に取り組む。
また、過去に天台宗で発行された刊行物をデジタル保存し、将来に役立てるために順次アーカイブ化していくことを明らかにし、広く宗徒に利用できるようにしたいとしている。
そして、ヨーロッパにおける聖エジディオ共同体主催の「世界宗教者平和の祈りの集い」、イタリア・アッシジでの二十五周年記念「世界平和祈祷集会」への使節団派遣の予定も発表された。
内部行政面では、今秋任期満了を迎える教区宗務所長などの選挙事務事項についての説明もなされた。
平成二十三年度通常会計歳入歳出予算は十一億二千五百万円。「人材の育成」という阿内局の柱となる行政目標については、「得度前育成」「得度後、四度加行までの期間」「四度加行から住職になるまでの期間」の三段階の研修体制を整えるとし、その具体的事業として現在、「十三仏教本」を作製中で、刊行間近であることも明らかにされた。
さらに、布教委員会では昨年同様「生命(いのち)」を重点課題とし、法華経を通してその尊さを考えていく方針であることが報告された。
また、「天台青少年比叡山の集い」「第八回天台キャンポリー」の実施、多数の自死者を出している現代社会への取り組みの一つとなる「自死者慰霊法要」を重要法要と位置づける方針、人権啓発活動のための講師養成などが示された。
一隅を照らす運動総本部の活動については、実践目標の現在の三つスローガンを簡明なものに変更し、「あらゆる命を大切にしよう」「みんなのために行動しよう」「自然の恵みに感謝しよう」とすることが発表された。
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「一隅落語」を披露 露の団姫(まるこ)さん
一隅を照らす運動総本部(福惠善高総本部長)では、二月十七日、天台宗務庁で落語家、露の団姫さん作の「一隅落語」を披露した。
総本部は、同運動推進に相応しい内容の新作落語を団姫さんに依頼、この程完成し、お披露目となったもの。総本部では、今後、各教区の推進大会などで、「一隅落語」を団姫さんに演じてもらい、一隅を照らす運動の一層の活発化に役立てたいとしている。