本堂落慶5周年記念法要を厳修
―天台宗ニューヨーク別院 慈雲山天台寺―
北米で唯一の天台宗寺院である天台宗ニューヨーク別院慈雲山天台寺(聞真・ポール・ネエモン住職)本堂が平成十七年に落慶して今年で五周年を迎えた。この勝縁に天台宗海外伝道事業団(山田俊和理事長)では、記念参拝団を派遣、去る十月二十三日、本堂落慶五周年記念法要を奉修した。
法要後の式典では、山田理事長が「ネエモン師の熱心な教化のもと、多くの方々が天台の教えを学ばれ、別院は新たな仏教発信の聖地として益々その法灯の輝きを増すことが期待されています。天台の法華一乗の教えが人々の心に安心を与えられるよう、今後、一層ご努力されることお願い申し上げます」と挨拶、神田門主のお言葉に続いて、本山特使である延暦寺一山勝華寺住職・小森秀恵師、西郊良光天台宗宗機顧問、栢木寛照天台宗宗議会議長やアメリカ側代表者から祝辞が贈られた。
これに対し、ネエモン住職は「本堂の荘厳は、北米と日本が融合し、参拝者も『とても心が和む空間だ』と言われています。これは、日本の天台宗と地元のサンガ・メンバーが、西洋における天台仏教の成長に適切な環境を創りだしてくれたからだと思います。今後とも別院の活動に対し、ご支援のほど、お願い申し上げます」と謝辞を述べた。
また、法要の後、小森師を戒師に、同別院メンバー六名の得度式も執り行われた。
ニューヨーク別院は、ニューヨーク市のマンハッタンから北へ百九十キロ離れた郊外に位置し、境内は約七万坪で、広大な大平原の一角にある。天台宗は、二〇〇一年に同別院と包括関係を結んでいる。
ネエモン住職は、一九八九年に医学・生物・人類学研究のため来日、その後、天台仏教と出会い、一島正眞大正大学名誉教授を戒師に得度、比叡山行院を遂業している。
帰国後は十数年にわたり、座禅や法華経の勉強会を開き、信徒の教化に取り組んできた。本堂落慶後も、着実に教化の輪を広げている。
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ボストン美術館で護摩供法要を厳修
ボストン美術館中庭で、十月二十四日、ニューヨーク別院の本堂落慶五周年記念法要に併せ、小森師の導師で護摩供が修された。
同美術館の東洋美術コレクションの礎を築いた東洋美術史家フェノロサと医師ビゲローが、天台宗の法明院(現・天台寺門宗)で得度して百二十五年。その縁から同日の護摩供となったもの。
ネエモン師による護摩供の解説もあり、集まった現地の人々五百余名も護摩木に祈願を書き、法要を興味深く見守っていた。