戦争、テロ、貧困や抑圧からの解放を訴える
第24回「世界宗教者平和の祈りの集い」スペイン・バルセロナ
今年第二十四回を迎える「世界宗教者平和の祈りの集い」が十月三日から五日まで、スペインのバルセロナで開催され、天台宗からは杉谷義純天台宗宗機顧問を名誉団長とする十八名の公式代表団が参加した。代表団は、現地で他の日本宗教代表と共に平和祈願法要を行い「世界の人々が、戦争やテロ、貧困や抑圧などから一日も早く解放され、安寧に生きることができる日が訪れることを切に祈る」という平和祈願文を神仏に捧げた。
四日、五日には、二十四の会場に別れてパネルディスカッションが行われ、天台宗からはピカソ美術館を会場に行われたパネル22『祈りは弱まったか』に杉谷顧問が「現代人の祈りは弱まったか」と題して、またレイアール・アカデミアで行われたパネル23『アジアの宗教と命の価値』では栢木寛照天台宗宗議会議長が「アジアの宗教と人間の尊厳の価値」と題して、それぞれスピーチ。
この中で杉谷顧問は「大航海時代に、ヨーロッパ文明は圧倒的な力で土着の民族をその文明もろとも放逐し、正義の名のもとに新しい国を打ち立てた」と、新大陸を発見したとされるスペインのコロンブスを非難し「人権を脅かされている少数民族の悲劇は、世界各国で今日まで続いている」と述べた。
また栢木議長は「アジアは、貧困ゆえに人の命が粗略に扱われている。ひとつの価値や正義だけで縛るのではなく、他を認め尊重しあう、これこそが命を尊ぶことである」と語った。
同日、夕刻に各宗教代表たちは、各々の宗教・宗派で平和の祈りを捧げたあと、バルセロナの「王の広場」に集結。閉会式の行われる大聖堂広場へと平和の行進に移った。
閉会式では、バルセロナ平和宣言が採択され、宣言書への署名が行われたあと、平和の灯火に移った。天台宗からは杉谷顧問、栢木議長、西郊良光天台宗宗機顧問が平和のキャンドルに点灯した。