明るく輝く笑顔を絶やさぬために
-プラティープ財団支援事業を視察-
一隅を照らす運動総本部(福惠善高総本部長)では、三月初旬、永年にわたり支援を続けているタイのドゥアン・プラティープ財団に交流親善視察団を派遣、同総本部が支援する各事業の現状を視察した。プラティープ財団はスラムで暮らす人々の救済を目的に設立された財団で、教育から社会福祉、健康、人材育成など、幅広いプロジェクト活動を展開している。なお同総本部では、今回、プラティープ財団及び、同じくタイで教育支援活動を行っているシャンティ・国際ボランティア会バンコク事務所に対し、支援金を贈呈した。
タイは、急激な近代化、工業政策のひずみによって、都市と農村部の経済格差が生じ、経済的繁栄に取り残された農村部の人々が生活の糧を求めてバンコクなどの都市部に流入。しかし、安価な労働力である彼等に対し、住宅問題など計画的な受け容れ対策が行われなかった。その結果、 バンコクでは千八百カ所、三百万人以上の人々が住むスラムが形成された。
スラムは劣悪な居住環境であり、住民は不当な労働条件で暮らす。そのため、犯罪に走る人も多く、また麻薬汚染で家庭も崩壊、子どもたちも教育を受けられず行き場を失っている。医療も満足に受けられず、法的な権利も認められない事が多い。
この現状に対し同財団は、教育面、健康面でのケア活動の他、人材育成では、家庭内暴力を受けている子どもや麻薬や犯罪に走る青少年たちを立ち直らせる『生き直しの学校』プロジェクト等、広範囲に亘る活動を行っている。
同財団を支援している一隅を照らす運動総本部の交流親善視察団一行は、三月二日、チュンポン県にある『生き直しの学校』を訪問。豊かな自然に囲まれた農園で勉学や職業訓練に励む子どもたちと会い、明るく元気な様子の彼等と交流。また、三日はバンコク最大のスラムと言われるクロントイ・スラムにある財団本部を訪問、四日はカンチャナブリ県に開設されている『生き直しの学校』のアブラヤシ園を訪れた。このアブラヤシ園は、同財団設立二十五周年を記念して立ち上げられた事業で、学校の運営費を少しでも自力で賄えるように、と計画されたもの。
草別善哉一隅を照らす運動総本部次長は「世界的不況もあり、財団を取り巻く経済状況も厳しいものがある。今後も根強く支援を続けていきたい。視察で出会った子どもたちの明るさ、笑顔を失わせないためにも出来る限りの努力をしたい」と視察を振り返った。
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チリ地震災害に対して緊急支援 - 一隅を照らす運動総本部 -
南米チリで、去る二月二十七日に発生したマグニチュード(M)八・八の大地震は、多数の犠牲者を出し、建物やライフラインの施設を崩壊させるなどの大災害を引き起こした。
一隅を照らす運動総本部では、被害の甚大さに鑑み、緊急支援を決定、募金活動を展開していくこととした。また、一月に起きたハイチ地震も長期的な支援活動が必至となっており、同総本部では、全国の天台宗寺院、檀信徒を始めとして、幅広く支援金を募る。