アウシュビッツへの追悼巡礼を行う
-ポーランドで第23回「世界宗教者平和の祈りの集い」-
聖エジディオ共同体が主催する第二十三回世界宗教者平和の祈りの集いが、九月六日から八日までポーランドのクラクフで開催された。今回はアウシュビッツ・ビルケナウ強制収容所を慰霊に訪れ、国際記念碑前で追悼のセレモニーを行った。天台宗は、名誉団長である杉谷義純宗機顧問以下二十九名の代表団を派遣した。
さらに同集いに参加した世界各国の宗教者千五百名は、八日、数百万人に上る犠牲者を出したといわれるアウシュビッツ強制収容所を訪問。併設された博物館で、犠牲者の髪の毛や、靴などのおびただしい遺品に触れ、あらためて戦争と差別が、人間を狂気に追いやる実態への認識を深めた。
そして、アウシュビッツ二号であるビルケナウ強制収容所にナチスが犠牲者を送り込んだ線路に沿って、千五百名の宗教者たちは、ガス室があった場所に設けられている国際追悼記念碑まで、約二キロを無言のまま行進した。
セレモニーでは、各国の宗教代表者が献花を行い、未だに墓標もない多くの犠牲者の冥福を祈った。
仏教は、杉谷宗機顧問、西郊良光宗機顧問、濱中宗務総長、栢木寛照天台宗宗議会副議長らが中心となって行われた。
また、カトリック、ユダヤ教の代表がそれぞれスピーチを行い、二度と過ちを繰り返さないことを誓った。
同日は、夕刻に各宗教で平和祈願法要が行われたあと、クラクフのマーケット広場で平和の行進が行われた。
このファイナル・セレモニーにおいて、杉谷宗機顧問はアジアの宗教者を代表して、スピーチを行った。ファイナル・セレモニーの場で天台宗がスピーチを行うのは、山田惠諦第二百五十三世天台座主猊下、半田孝淳天台座主猊下に続いて三人目である。