比叡山宗教サミット22周年
「世界平和祈りの集い」を開催
八月四日、比叡山延暦寺において比叡山宗教サミット二十二周年「世界平和祈りの集い」が開催され、約千名に及ぶ参加者は、世界の恒久平和を願い真摯な祈りを捧げた。
二十二回目を迎えたこの集いでは、バチカン諸宗教対話評議会議長のジャン=ルイ・トーラン枢機卿が「平和を語る」と題するメッセージを発表、宗教間の垣根を越えて共に平和への祈りを捧げることの大切さを訴えた。
続いて、半田孝淳天台座主猊下を導師に、延暦寺一山住職出仕による法楽が厳修され、半田座主猊下が平和祈願文を朗読。半田座主猊下は、今なお世界各地で武力紛争が止まないことに憂慮しながらも、米国大統領の核廃絶を目ざす声明に、「核のない平和実現に一筋の光明」が見えたと述べられた。その後、各宗教・教宗派代表が登壇、「平和の鐘」が打ち鳴らされる中、世界平和を祈る黙祷が捧げられた(写真)。
黙祷の後、ジャン=ルイ・トーラン枢機卿が「平和を語る」と題し、メッセージを発表した。この中で枢機卿は、様々な宗教が共に集い、協力し、平和のために祈りを捧げることが真の世界平和実現に貢献することを強調した。
また、この集いの成功を祈る海外の宗教者からのメッセージも紹介、バチカン国務長官タルチジオ・ベルトーネ枢機卿のメッセージをアルベルト・ボッターリ・デ・カステッロ大司教が、また世界仏教徒連盟(WFB)のパン・ワナメティー会長のメッセージはパロップ・タイアリー同連盟事務局長がそれぞれ披露した。
続いて天台青少年比叡山の集いに参加した青少年代表によるユニセフ募金の寄託式が行われた。
なお今回の集いでは最後に、ドイツから来日中の、エッセンシュテーラー児童合唱団と京都市少年合唱団による奉献歌も行われた。時代を担う青少年たちの澄んだハーモニーに、各宗教者代表たちも「若い世代の人たちが平和を享受できるように」との平和への願いを新たにした様子であった。同集いは武覚超延暦寺執行の閉式の辞をもって午後四時半過ぎに終了した。