「発心会」を厳修、寺檀の絆を深める
-第40回天台宗兵庫教区檀信徒総会・一隅を照らす運動推進兵庫大会-
天台宗が推進している「発心会」が、去る六月二十六日に兵庫県姫路市(姫路市文化センター)で執り行われた。「発心会」は、同日に開催された第四十回天台宗兵庫教区檀信徒総会並びに一隅を照らす運動推進兵庫大会で行われたもので、住職、副住職、檀信徒約三百人が参加。「発心会」が推進大会で営まれるのは、前回の滋賀・三岐大会に続いて三回目となる。
戦後日本の社会状況を振り返ると、家族構成の変化、地域社会での人間関係の疎遠などがあり、その基本構造の変化は寺檀関係にも深刻な影を落としている。
つまり、法事や葬儀の時だけのつながりで、「信仰」そのものでの寺院と檀信徒とのつながりが希薄になっているという危惧がある。
従って、寺院と檀信徒との関係を強化し、「個」の信仰を深めていくことが、今求められている。個人の菩提心を発し、いかに信仰を家から個へ移行させていくか。「発心会」の定着と持続が今後の課題となる。
今回の発心会は、教区実行委員会の決定に基づき、推進大会の講演に代わって営まれた。法儀研修所のメンバーと檀信徒代表によって行われ、虎熊光城指導員が司会となり、茂渡俊慶主任指導員が「発心勤行儀」に基づいて、それぞれの法儀内容を解説する形で進められた。
導師は雲井明善兵庫教区法儀研修所所長。
茂渡主任指導員は、発心会で行われる、三宝(仏・法・僧)に心の全てを捧げ礼拝する「三礼(さんらい)」、自分が犯した過去の過ちを懺悔する「懺悔文(さんげもん)」、三宝に帰依する「三帰依文」「三帰三竟」などについて、詳細に解説した習礼(しゅらい)(予行演習)を行い、その上で改めて発心会が行われた。
発心会は、習礼も含めて一時間五分であった。
発心会に先だって開催された檀信徒総会の開会式では、中戸運幸兵庫教区檀信徒会副会長の開式の辞で始められ、田中敏道同会長挨拶と草別碩善兵庫教区宗務所長が挨拶。
続いて秋吉文隆一隅を照らす運動総本部長が来賓として祝辞を贈った。
その後、檀信徒会の平成二十年度活動報告と決算、二十一年度活動計画案と予算案が審議され了承された。
今年度活動計画は、同日の大会を始め、三十八回目となる祖山参拝や全国一斉托鉢などで予算案は約四百五十三万五千円。
引き続き行われた一隅を照らす運動推進兵庫大会では、各寺院から三名の実践発表が行われた。
一隅を照らす運動推進者表彰では、赤田津多子不動院檀徒、内藤政義悟真院総代長、山田馨随願寺愛存会会長、朝野久夫正福寺檀徒総代、高見津世司白毫寺藤愛好会企画部長の五氏に秋吉総本部長から表彰状が贈られた。今大会は「発心会」が執り行われたこともあり、参加者の熱気が溢れていた。