天台座主猊下、初めて高野山を公式参拝
半田孝淳天台座主猊下は、六月十五日に高野山真言宗総本山金剛峯寺で厳修された弘法大師降誕会に参拝された。天台座主が高野山を公式参拝するのは、天台宗、真言宗が開宗されて以来初めてのこと。
近年は、全日本仏教会、また比叡山宗教サミットにおいても重要なパートナーとなっている。
天台宗では平成十五年度から二十年度まで開宗千二百年慶讃大法会を奉修したが、平成十七年に行われた開宗記念の大法要には、金剛峯寺座主資延敏雄猊下が延暦寺根本中堂を参拝されている。そのこともあり、半田座主猊下は高野山への参拝を強く希望されていた。
金剛峯寺座主松長有慶猊下が平成十八年十一月に、半田座主猊下が十九年二月と、ほぼ同時に座主猊下に上任され、また松長座主猊下と半田座主猊下は個人的にも親交が深いこともあり、今回の公式参拝は松長座主猊下が半田座主猊下を弘法大師降誕会に招く形で実現したものである。
同日、半田座主猊下は濱中光礼天台宗宗務総長はじめ天台宗内局、また総本山延暦寺の小林祖承総務部長らと共に、高野山大師教会に到着。百人近い高野山真言宗僧侶の出迎えを受けた。
そして大師教会大講堂で厳修された一時間半にわたる弘法大師降誕会に随喜されたあと弘法大師の御廟である奥の院に向かわれた。
半田座主猊下と松長座主猊下が樹齢数百年の杉木立と、青葉若葉の照り映える参道を並んで歩かれると、折からの参拝者たちは合掌で迎えていた。そして奥の院で、半田座主猊下は弘法大師御前に焼香された。天台座主としては初めてのことである。
半田座主猊下は「高野山金剛峯寺に参拝させて頂き、弘法大師様の御前に詣でることができることは、有り難い仏縁のきわみである。このことが機縁となり、お互いの交流が更に活発になり、互いに手をとりあって仏法興隆、世界平和に邁進できるならば望外の幸せであり、そのことを改めて祈念したい」と述べられ、松長座主猊下と堅い握手を交わされた。