宇佐神宮に半田座主迎え、法華八講を奉修
十月十六日に、大分県宇佐神宮で「『法華八講』三問一答」の法要が行われた。主催は九州東教区(寺田豪明宗務所長)で、平成十年以来十年ぶりの開催。半田孝淳天台座主猊下を宇佐神宮に迎えての法要で、座主猊下は同神宮本殿において八幡大神(宇佐八幡大菩薩)神前に祭文を奉じた。同日午前中には一隅を照らす運動九州東大会が行われ、神仏習合に関する基調講演やパネルディスカッションも行われた。
大師は帰国の後にはその感謝をこめて法華経一千部を奉納し、法華八講を修している。
また、八世紀の初め頃に起きた隼人との戦いで殺生の罪を悔いた八幡神が、仏教に救いを求めたために、日本で初めて神と仏が習合したところでもある。
天台宗とは関係の深い神宮であり、明治以前には日常的に法華経が講じられていたが、廃仏毀釈により途絶えていた。昭和五十三年に復活され、今回が三回目となる。
午前中、参集殿において一隅を照らす運動九州東大会が行われ、寺田所長の開式の辞、武覚超延暦寺執行の来賓祝辞に続いて、菅原信海京都・妙法院門跡門主が「八幡神と神仏習合」と題して基調講演を行い、その後、世界遺産登録を目指す同神宮および地域の代表によるパネルディスカッション「神仏習合と世界遺産」が行われた。
濱中光礼天台宗宗務総長の来賓挨拶によって午前の部を終了。
午後からは「『法華八講』三問一答」法要が同神宮本殿において厳修された。
九州東教区の住職・檀信徒百四十名、また折から団体参拝していた天台宗神奈川教区の住職・檀信徒三百名が見守る中、半田座主猊下と到津克子同神宮権宮司を始めとする式衆が本殿に入殿。同神宮神職が祝詞を奉上したあと、半田座主猊下が祭文を奉じた。
三問一答とは、三人の僧侶が教義の中の文言を問い、講師(こうじ)の僧侶が解答する論議法要である。今回の講師は稙田惠秀霊山寺住職がつとめた。
今回の会行事をつとめた阿部昌宏観音院住職は「天台宗開宗千二百年慶讃大法会が結願し、これからの天台宗の方向性を考えるうえで、今回の法要はひとつの形となると思う」と語っていた。