天台宗開宗1200年記念沖縄特別講演を開催
天台宗では、開宗千二百年慶讃大法会事業の一環として天台宗の寺院が少ない地域である広島県・鹿児島県・沖縄県への「三県特別布教」を計画、これまで広島、鹿児島の両県で実施してきた。そして、来る七月一日に天台の教えを弘めるスタートとなる特別講演会を沖縄県で開催する。
今日においても生活の中での仏教の影はあまり感じられない。
こうした宗教事情下の沖縄県において、天台宗としてもなんとか「天台の教え」に対して理解を深めてもらい、縁を繋いでいただきたいと、この特別布教を実施することになった。
特別講演会は七月一日午後五時三十分より開催される。最初に、天台宗とはいかなる教えと歴史を持ち、宗教活動を行っているかを、映像で紹介する。濱中光礼天台宗宗務総長の主催者としての挨拶や、天台声明の実演が予定されている。声明を初めて聞く人も多いことから、分かりやすい解説もなされる。
プログラムのメインには、先頃、文化勲章を受章した作家でもある天台宗僧の瀬戸内寂聴師が「忘己利他」と題する講演を行う。
瀬戸内師は陸奥教区・岩手の天台寺住職時代から、一般の人々を対象に「青空説法」を行い、その法話は幅広い支持を集めている。この講演では、宗祖伝教大師のお言葉「忘己利他」が標題に掲げてあり、日常生活の中で天台の教え、宗祖大師の教えを活かすための、わかりやすい法話になるものと思われる。
沖縄県において仏教を、そして天台の教えを、今後弘めてていくためには、沖縄の伝統、文化、習俗を尊重しながら、一歩一歩進めることが必要である。この特別布教がその一歩となることを期待したい。
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半田座主 比叡山諸堂を巡拝-御拝堂式-
三月二日、比叡全山の諸仏諸菩薩諸天善神に天台座主上任の報告を行う儀式「御拝堂式」が、古式ゆかしく執り行われた。
緋衣・緋紋白金三諦章大五条を召された半田孝淳天台座主猊下は、延暦寺総本堂根本中堂御本尊薬師如来御宝前で、随喜された天台宗・延暦寺内局等とともに薬師経を御奉読され、上任の報告をされた。その後東塔諸堂での御拝堂を終えられ、明王堂へは急な坂道を山駕籠で向われ(写真)、その後西塔・横川諸堂、飯室不動堂、滋賀院門跡内仏殿を御拝堂され、魔事なく「御拝堂式」を終えられた。