第20回世界宗教者平和の祈りの集い イタリア・アッシジ
第二十回世界平和祈りの集いがイタリア・アッシジにおいて九月五、六日に開催され、天台宗では、杉谷義純天台座主特命代表を始めとする代表団を派遣した。祈りの集いでは、天台宗代表が開会式やパネルにおいて世界平和実現のためにスピーチを行った。代表団は、七日にはバチカンにおいてローマ教皇・ベネディクト十六世聖下と謁見し明年八月に開催される「比叡山宗教サミット二十周年世界平和祈りの集い」への招請状を手渡した。
開会式は四日「世界平和のために・宗教、文化の対話」と題して、アッシジのテアトロ・リリックで行われ、世界各国の宗教代表者とクラウディオ・リッチアッシジ市長はじめ一般市民約一万名が参加した。
杉谷特命代表は仏教を代表して挨拶し「宗教は理想ばかり説いているという批判に対し、宗教が説くことは未来のあるべき現実であることを示していこう」と述べた。
このあと参加者は五日まで、十六の各分科会に分かれて、世界平和に向けての対話を行った。
濱中宗務総長は「アジアの宗教・宗教間の対話と平和への情熱」の分科会で「『和をもって貴しとなす』『己を忘れて他を利するは慈悲の極みなり』の二つが日本仏教、日本文化の精神源流である。この二つの精神を敷衍し、実践することが、世界平和実現へ向けての最善、最短の道であると確信する」と発言し、大きな拍手を浴びた。
五日の夕刻には世界の宗教者たちがそれぞれに祈り、礼拝の場所からサン・フランセスコ聖堂へ「平和の行進」を行った。
サン・フランセスコ聖堂前に設けられた閉会式特設会場には二万人近い人々が集い「私たちの希望は平和な世界の到来です。対話により失われるものは何もなく、平和は総てを可能にするのです。決して戦争が繰り返されませんように」という平和宣言が採択され、各宗教代表者は平和の署名を行った
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「薩摩と比叡山」~仏教音楽と講演~
来る十月十一日に鹿児島市において「薩摩と比叡山」と題する仏教音楽と講演が開催される。
開宗千二百年慶讃大法会・三県特別布教の一環として開かれるこの催しでは「天台声明」や、盲僧たちによって伝えられ演奏されてきた鹿児島県無形文化財の「妙音十二楽」、そして宮崎県無形文化財に指定されている永田法順師による「盲僧琵琶」など仏教音楽と、薩摩と比叡山の歴史的な関係についての特別講演が行われる。
また、ミャンマーの子どもたちを支援するために、現在、学校建設運動を進めている地元、南泉院住職宮下亮善師の講演もあり、天台僧の鹿児島における活動をも紹介する催しとなっている。(四、五面に関連記事)
※会場=鹿児島サンロイヤルホテル
十月十一日・午後一時半~「天台声明」、同二時~「特別講演」講師=原口泉鹿児島大学教授、同三時~「妙音十二楽」、同三時半~「盲僧琵琶」、同四時~「講演」講師=宮下亮善南泉院住職
※問い合わせ先・天台宗務庁大法会事務局(代077-579-0022)