「世界平和祈りの集い」を開催
比叡山宗教サミット十九周年「世界平和祈りの集い」が、八月四日に比叡山延暦寺・一隅を照らす会館前広場において開催された。今年世界平和を祈るために集った参加者は約六百名。猛暑の中、明年に迎える第二十回記念の集いに向けて「対話」と「祈り」の継続を誓い合う集いとなった。
このあと、比叡山幼稚園園児や「天台青少年比叡山の集い」で登叡し、同祈りの集いにも参加した青少年達から献花が行われた。
渡邊惠進天台座主猊下は「仏教には『怨みに報いるに怨みをもってせば怨みは絶えず。怨みに徳をもってせば怨み終いに止む』という教えがある。憎しみの鎖を断ち切り、当事者が相互理解をするためには、この教えに基づくより他はない。この考えを広く理解していただくことが平和の実現に繋がる」と平和祈願文を読み上げた。
このあと各宗教宗派の代表者が登壇し、比叡山で打ち鳴らされた平和の鐘に合わせて世界の平和を祈った。
そして第一回の「世界平和祈りの集い」で発表された「比叡山メッセージ」が朗読されたあと、半田孝淳曼殊院門跡門主が「平和を語る」と題して、アッシジの精神を引き継ぎ、十九回にわたる「世界平和祈りの集い」に貢献してきた自らの歴史を振り返り、伝教大師の「一身弁じ難く衆力成じ易し」の言葉を引きながら、明年の二十周年に向けての期待を表明した。
続いて青少年たちが「世界の恵まれない子ども達のために」と出し合った寄金が小堀光詮三千院門跡門主からユニセフへ寄託された。
またバチカンや中国仏教協会から寄せられたメッセージが披露されたあと、平和の合い言葉が唱和され、清原恵光延暦寺執行が閉会の辞を述べて終了した。
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戸津説法・小林師(延暦寺一山・千手院住職)が務める
延暦寺一山千手院住職の小林隆彰大僧正(延暦寺学問所所長)が、大津市下阪本の東南寺で、八月二十一日から二十五日までの五日間、戸津説法を行った。
小林師は、法華経八巻二十八品と無量義経や観普賢経などについて解りやすく説き、得意の話術で聴衆を魅了した。連日の猛暑にもかかわらず、全国各地から聴聞に訪れた大勢の人々は、熱心に耳を傾けメモを取る姿も見受けられた。