新潟県中越地震-私たちに出来ることを今すぐ-
天台宗災害対策本部を設置
新潟県中越地震で、天台宗は十月二十五日天台宗務庁内に、西郊良光宗務総長を本部長とする災害対策本部を設置した。現地の対策本部と連絡をとりながら、救援募金の呼びかけや、物資の搬送、ボランティアの派遣窓口となる。すでに、近隣県の天台仏青を中心としたボランティア団は、現地入りのスタンバイを終えている(27日現在)。
二十三日午後五時五十六分に発生した地震について、二十四日には、西郊宗務総長はじめ、担当セクションである総務部、社会部、一隅を照らす運動総本部の職員が休日出勤して情報収集にあたった。
その結果、本堂や仏像に被害が出たり、壁が剥落した寺院は六カ寺、被害なし、あるいは軽被害が四カ寺で、電話連絡不通や、応答なしが十一カ寺であった。応答のない寺院の多くは、被害の大きい小千谷市、十日町市、上川村、川西町に集中している。
小千谷市岩沢町にある龍覚院の渡辺覚忍住職は「私の寺自体の被害は少なかったが、過疎地のために交通が遮断されている。町内会長として焚き出し中だが、次の揺れがあれば寺がもつかどうか心配でたまらない」と語った。
-救援先発員を派遣-
また、二十五日天台宗では、一隅を照らす運動総本部から課長級を含む数人の職員を派遣。総本山延暦寺からも一名が参加した。同日夜に信越教区で開催された現地対策本部(小山健英対策本部長)の会議に出席して、物資の搬入ルートや人的派遣の具体的救援方法を協議すると共に、翌日には被災寺院を見舞うために現地入りした。
更に二十五日から招集された宗議会で、渡邉惠進天台座主猊下は「亡くなった方々のご冥福をお祈りすると共に、復興救援がすみやかになされ、救援と支援が行き届き一日も早く平穏な日々を取り戻されるよう祈念する」と述べている。