祖師先徳鑽仰大法会
今春からいよいよ第二期へ 記念事業に根本中道大改修
平成27年4月から、祖師先徳鑽仰大法会第二期として「恵心僧都一千年御遠忌」「伝教大師御生誕一千二百五十年」「相応和尚一千百年御遠忌」「伝教大師一千二百年大遠忌」が、平成34年3月まで7年をかけて執り行われる。
この中で大きくクローズアップされてきたのが、60年ぶりに大改修される根本中堂である。
「昭和の大修理」と呼ばれた前回の大改修は、4年の歳月を経て昭和30年に完成をみている。今回の大修理は本堂と回廊の屋根吹き替え、また朱色が落剥した柱や天井の塗り直しが中心となる。
半田孝淳天台座主猊下は「私どもには、宗祖大師が比叡山に入山された折に建立された一乗止観院、日本仏教母山と呼ばれる比叡山の総本堂である根本中堂を、忘己利他、本末一如の精神でのちのちの世まで護り伝える責務がございます」と述べられている。
木ノ下寂俊天台宗宗務総長も、この根本中堂の大改修を「大法会を通じた記念事業であり、その中心となる柱」と位置づけている。そして、関係官庁と調整が必要なために現在はまだ正確な額は示されていないものの、本山延暦寺も基本財産からかなりの額を負担することを考慮。昨年10月の第百三十一回通常宗議会において「天台宗も改修費を含む大法会の執行予算を宗徒からの義財だけに頼らず、準備資金から毎年2千万円ずつを7年間に亘って拠出する」ことが決議された。
第二期大法会の総予算は21億7千万円。その編成基本は義財、志納金、寄付金、繰入金という四本柱で行われた。
そして勧募は宗徒、檀信徒はもとより、広く一般社会にも呼びかけられる。
大法会予算の主なものは、根本中堂大改修事業に8億円、また、天台学大辞典出版費に2億円、比叡山宗教サミット30周年事業に1億円、叡山学院図書館改修費に4千万円、一隅を照らす運動50周年記念大会助成費1千万円、青少年登山50周年記念大会助成費1千万円、天台宗宝物展費に1千万円等々。記念事業費は4億4千5百万円である。
宗祖伝教大師の御遠忌はこれまで何度も行われてきたが、天台宗として恵心僧都、相応和尚の遠忌を営むのは、きわめて稀である。
恵心僧都源信は『往生要集』を著し、日本浄土教の祖と呼ばれる。また相応和尚は、比叡山回峯行の創始者である。