布教師会の核を育てるために
天台宗中央布教師養成所を設立
―本年8月29・30日に延暦寺会館似て研修実施―
天台宗布教師会は、天台宗の教えを広く一般に説く「布教師」の強化育成に取り組むことになった。そのため布教師会は「天台宗中央布教師養成所」を開設する。三年を目処に天台宗の教えに基づいた安心(あんじん)の仏教理念を、感情豊かに説法できる人材を養成するとしており「スーパー布教師」の誕生に期待が高まる。
総本山や大都市には、実力人気ともに優れ、各地に引っ張りだこの布教師もいるが、地方では人材が育っていないという指摘もある。またベテラン布教師たちも高齢化が進んでおり、時代に即応できる若手布教師の要請は急務とされていた。
天台宗布教師会では、こうした現状に鑑み平成二十四年に「仏教教化活動の一翼を担い、天台宗旨を弘宣することを目的とした特別な能力を開発した専門布教師を輩出させる」ために「天台宗中央布教師養成所」の設立を提議し、各教区布教師会の賛同を得て請願を行っていた。
天台宗も布教師会の請願に理解を示し、今年度予算においてバックアップを行っている。
本年は、各布教師会地区協議会から推薦を受けた布教師が、八月二十九日に延暦寺会館で一泊二日の研修に臨む予定だ。
秦順照天台宗布教師会会長は「まずは、スタート地点に立ったということ。檀信徒は、分かりやすく、有り難く、納得できる法話を求めている。時あたかも祖師先徳鑽仰大法会が展開されており、天台宗の明日を担う布教師の養成につなげていきたい」と抱負を語る。
また、中島有淳天台宗教学部長は「布教師は、説法の場を重ねることで、より自分の言葉を深めていくことができる。その意味では期待している。伝教大師は能行能言(よく行い、よく言う)と諭されている。言葉だけでなく、態度で示し、布教することも大事だと思う。人は心から発せられた言葉に感動する。時代は僧侶が積極的に発言することを求めているから」と期待を語った。