未だ癒えぬ悲しみの中、復興を誓う
3/11 天台宗陸奧教区が気仙沼市で慰霊法要
東日本大震災から四年目を迎える三月十一日、宮城県気仙沼市の觀音寺(鮎貝宗城住職)では「東日本大震災物故者祥月命日陸奥教区法要」を鮎貝住職の導師、陸奥教区寺院住職の出仕で厳修、天台宗からは木ノ下寂俊宗務総長並びに田中祥順財務部長、横山照泰一隅を照らす運動総本部長らが参列、震災物故者の冥福を祈った。同法要には、地元及び全国の震災犠牲者の遺族、被災者、同教区寺院住職など約三百名が参列、新たな悲しみの中、慰霊の祈りを捧げた。
法要に参列した木ノ下宗務総長は「私たちはこの度の苦難に屈することなく復興に立ち上がらねばなりません。今日、私たちに課せられた課題は、伝教大師様の申された『己を忘れて他を利する』の精神の実践であると思います。『己を忘れて他を利する』ことは、言葉を換えれば助け合うことです。天台宗では、この『忘己利他』の精神に則り『たすけあって日本』を旗印に支援活動を行って参りました。今後もこの精神をもって復興支援に努めていきたいと思っています。私たちは一人ではありません。一人では存在し得ないのです。多くの人々が助け合っていくならば、必ず、この世は浄仏国土となると信じております」と復興支援への決意を込めた挨拶を行った。
なお、法要に先立って、木ノ下総長は、追悼のため田中、横山両部長、鮎貝觀音寺住職と共に、津波で多くの人が命を落とした内の脇地区を訪れた。同地区には、一体の観音像が建立されている。この観音像は、津波で妻と娘を失った觀音寺檀信徒の横田瑞夫さん(72)が同地区の犠牲者追悼のため建立したもの。木ノ下総長らは、犠牲者の慰霊のための献花と、読経を捧げた。
同日は、全国で慰霊法要が営まれた。総本山延暦寺では、半田孝淳天台座主猊下を導師に、延暦寺一山諸大徳並びに阿部昌宏天台宗総務部長、天台宗参務らの参列のもと、慰霊法要が営まれた。