世界宗教者平和の祈りの集い「脱原発」のメッセージ発表
二十五周年、歴史的な「集い」に
比叡山に平和と鎮魂の祈り
二十五周年を迎える「世界宗教者平和の祈りの集い」は、仏教、キリスト教、イスラーム、宗教対話組織など海外十二カ国の宗教代表者を迎え、八月三、四の両日、国立京都国際会館並びに比叡山延暦寺根本中堂前を会場に開催された。
今回のテーマは「自然災害の猛威と宗教者の役割」で、三・一一大震災と原発事故への反省と実践について話し合われた。
三日に国立京都国際会館で行われた開会式には、約千二百人が参加し、東日本大震災を始め世界各地の自然災害で犠牲になった人々に黙祷を捧げた。
続いて哲学者の梅原猛氏が「『草木国土悉皆成仏という思想』と題して記念講演を行った。梅原氏は「人類はエネルギーとして原発を使用すべきではない」と断言した。
またシンポジウムでは「被災者に宗教者は如何に向き合ってきたか」をテーマに話し合われ、大災害に見舞われた、イタリア、タイ、中国、トルコ、日本の宗教代表者たちが被災者支援の実態について発言した。
四日に開催された「原発問題が提起したエネルギー問題と宗教者の立場」をテーマとするフォーラムでは、各パネリストから「宗教者としては、原発ではなく、安全なクリーンエネルギーに切り替えていくことを主張すべきである」との意見が続出した。
同日、参加した国内外の宗教指導者たちは、比叡山山上で犠牲者を追悼し、世界平和の実現を祈った(写真)。
そして最後に発表された「比叡山メッセージ二〇一二」では「原発を稼働し続けることは宗教的、倫理的に許されることではない」という文言が盛り込まれ「脱原発」の姿勢が鮮明にされた。(四・五・七面に別報)
献花と追悼の花文字「結」
祈りの式典壇上には、天台青少年比叡山の集い参加した子どもたちの手によって「結」の花文字が作られた。
花文字には、東日本大震災犠牲者への献花と追悼の思いが込められた。また「結」の文字は共生と絆を象徴する。花文字に使われたリネアリスの花言葉は「別れた友を思う」。