比叡山宗教サミットで実行委ら記者会見
「被災者に手を差しのべ続ける」
― 半田座主猊下が宗教者の使命を強調 ―
比叡山宗教サミット二十五周年記念「世界宗教者平和の祈りの集い」が「自然災害の猛威と宗教者の役割」三・一一大震災と原発事故への反省と実践の総合テーマのもと、来る八月三、四日、国立京都国際会館および比叡山延暦寺において開催される。世界の諸宗教代表者ら約二千名が出席する予定で、シンポジウムやフォーラムなども行われる。去る七月六日、半田孝淳・同集い実行委員会名誉顧問(天台座主猊下)はじめ、同委員会の各役職者が記者会見を行い、その開催趣意、スケジュールなどについて明らかにした。
更に今回は、内戦状態にあるシリアからも、シリア正教府主教が来日する予定。またトルコやインドネシアなど、過去に大災害に見舞われた国々の宗教者が、シンポジウムやフォーラムで、被災者や災害に向き合ってきた体験を語り、共に犠牲者に祈りを捧げる。
八月三日は、国立京都国際会館において開会式が行われた後、哲学者の梅原猛氏が「自然災害と人間の文明」と題し記念講演を行う。シンポジウムでは、各国宗教代表者がパネリストを務め「被災者に宗教者は如何に向き合ってきたか」をテーマに討論。
四日午前中は、原発事故で緊急の課題となったエネルギー問題についてフォーラムが開かれる。「原発事故が提起したエネルギー問題と宗教者の立場」と題するテーマをもとに、各宗教からのパネリストが、それぞれの宗教的見地から議論する。
午後からは、会場を比叡山延暦寺根本中堂前に移し「世界平和・祈りの式典」が執り行われる。海外招請者、国内宗教者など約千名の参加者が、多くの自然災害で亡くなった犠牲者への追悼式典を営む。また最後に、宗教者の立場と責任を明らかにする「比叡山メッセージ二〇一二」が発表される。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
鳩山元首相が出席・円仁展開幕
慈覚大師一千百五十年御遠忌と日中国交正常化四十周年を記念した「円仁展」が、七月二十三日から八月二十日まで、東京虎ノ門の中国文化センターで開催されている。
七月二十三日のオープニングセレモニーでは、鳩山由紀夫元首相らがテープカットを行った(写真)。
続いて、二十六日には「慈覚大師を語る」と題した講演会(四、五面別報)が行われた。また八月八日には天台声明「慈覚大師御影供」と雅楽のセッション、十日は千宗屋師の「天台と茶の湯」の講演会がある。