四祖師先徳鑽仰、10年に亘る大法会スタート
祖師先徳鑽仰大法会総開闢奉告四箇法要 5月11日・延暦寺根本中道
五月十一日、比叡山延暦寺根本中堂ご宝前において「祖師先徳鑽仰大法会総開闢奉告四箇法要」が半田孝淳天台座主猊下大導師のもと、厳かに執り行われた。同法要は宗祖伝教大師・慈覚大師・相応和尚・恵心僧都の四祖師先徳の遺徳を鑽仰する十年に亘る大法会の開闢をご本尊薬師如来に告げるもの。全国の天台宗要職者ならびに檀信徒が随喜。法要出席者約百六十名は、共々に大法会円成に向けての決意を新たにした。
続いて午前十一時からは、根本中堂において「祖師先徳鑽仰大法会総開闢奉告四箇法要」が半田座主猊下を大導師に営まれ、全国宗務所長並びに天台仏青が出仕し、宗内要職者、檀信徒らが随喜した満堂の中堂内部は、厳粛な雰囲気に包まれていた。
法要では、僧侶として十代の頃から、比叡山麓の寺院や延暦寺で修行したこともある華道池坊の第四十五世家元・池坊専永師が本尊ご宝前に「生花(しょうか)」と称される白菊七本による献華(けんげ)を行った。
阿純孝大法会事務局局長(宗務総長)は法要に当たり、次のように述べた。「この大法会のテーマは『道心』であります。天台宗の人材育成の根幹である『道心』こそは現代社会においてこそ説くべき意義ある言葉であります。現代人が享受している生活の豊かさは、過去に類をみません。がしかし、それが反って生活そのものを危うくしていることも事実であります。また、今の日本は自由であるあまり、自分勝手が許される風潮が見られます。経済的豊かさの代償に、心の貧困を得たと言っても良いでしょう。でありますから、現代こそ『道心』が必要なのです。次にサブテーマは『山川草木みなほとけ』であります。今、地球環境はおびただしく破壊されています。自然を利益追求の手段に利用した結果であります。そこで私たちは、自然への見方を変えなければなりません。現代社会への警鐘が大法会の意義です」。
同日の奉告四箇法要厳修により、いよいよ大法会円成に向けての雰囲気も盛り上がってきたといえよう。
「祖師先徳鑽仰大法会」の期間は、平成二十四年四月一日から同三十四年三月三十一日までの二期十年間となっている。